前回のファーストインプレッションに続いて今回は実際K712PROを聴いてのレビュー。あれからエージングは結局25時間ぐらいやってしまってた。

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過去オーディオ記事:

再生環境


HD598同様にPCに装着してある「Xonar Essence STX」のリアヘッドホン端子からK712PROへ繋げた。インピーダンスは最初NORMALの0~64Ωのまま聴いたんだけどどうも鳴り切ってない感じがあったのでHigh Gainの64~300Ωに変えたら納得の音になった。K712PROは公証インピーダンスが62Ωだけどやはりもう少し余裕持たせた方がいいみたいだ。だからヘッドホンアンプやオーディオカードの類いは必須だね。将来的には外部USBオーディオに変えたいところだが…。

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再生ソフトはfoobar2000でリッピングしたFLAC音源を使用。Windowsのボリュームはダイナミックレンジが広いクラシック音楽は30~32。サウンドトラックなどは20前後。

毎度の事ながらこの手のは個人の主観による感想になるのでその点はあしからず。

各CD視聴レビュー


ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」(ドホナーニ指揮クリーヴランド/DECCA)




まずは自分のヘッドホン判断基準としているこの愛聴盤。Q701でも一番最初に聴いた1枚。まず一聴して音場の広大さに感動。フォルテで鳴る強奏時でも出てくる音に余裕がある。だから飽和せず各セクションの楽器が明瞭に聴こえてくる。音も実体感があって生々しくなった。金管が特に輝かしさが増した。各楽器もソリッドに切り込んでくる。HD598に慣れた軟弱な耳には刺激的。だが心地いい。

マーラー:交響曲第5番(ドホナーニ指揮クリーヴランド/DECCA)




ただでさえ情報量が多いこの超絶録音だがK712PROで聴くとまだ聴いた事がない旋律が浮かび上がってくる凄まじい解像度の高さに恍惚。音場の広さのお陰でややもすれば人工的な録音もナチュラルに聴こえてくれる。低音が増したから重量感も出てきた。シンバルやトライアングルといった甲高い打楽器は明瞭。トランペットやホルンの抜けの良さも抜群。あまりに良すぎてティンパニ&ホルン協奏曲みたいになってるという。

ショスタコーヴィチ:ジャズ組曲第1番(シャイー指揮コンセルトヘボウ/DECCA)




ヴァイオリン独奏やギター、サックスなど楽器の生々しさや臨場感が増したかのよう。グロッケンシュピールやシロフォンがやたら存在感あるのは高音域が綺羅びやかで中音域も量感が増したお陰だろう。

ストラヴィンスキー:春の祭典(サロネン指揮ロサンゼルス/DG)




DGにしては異例の録音の良さを誇るこの録音。腹に響く大太鼓の重低音がHD598でも印象的だったが低音域の量感が増したお陰でさらにズシリと重みが増した。もちろん中・高音域もバランスよく伸びてくれるから特に8曲目「長老の行進」、11曲目「選ばれし生贄への賛美」の迫力が壮絶。でも音がカオスにならず整然としてる。

ドビュッシー:選ばれた乙女(サロネン指揮ロサンゼルス/SONY)




ホールトーンが美しいソニーの録音。よりホールトーンが豊かになり繊細な空気感の雰囲気も伝えてくれて芳醇だ。ソプラノと女声合唱が入るけど甲高い音でも刺さらず余裕に鳴らしてくれる。

ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容(アバド指揮ベルリン/DG)




90年代の典型的DG録音から。低域不足でハイ上がりの硬質なサウンドは以前までなら聴いててあまり楽しくなかったが音場の広大さと抜けの良さのお陰で詰まった感じが解消。強奏時でもうるさくなくナチュラルになった。こうゆう平凡な録音でもK712PROが魅力的なサウンドに変容してくれるんだから凄いものだ。

サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」(オーマンディ指揮フィラデルフィア/TELARC)




貧弱な再生環境だと出てくる音も貧弱になる再生が難しいテラーク録音からも。もちろんK712PROはHD598同様再生に問題なし。2楽章、終楽章のオルガンの低音が明瞭。背景で鳴ってる超重低音もばっちり聴こえる。終楽章コーダでオルガンが轟くような重低音響かせながら音階降りていって大太鼓一発鳴らすところには鳥肌。なんて存在感のある音だ。HD598ではこんなリアルに重く聴こえてこなかったな。弦の表現も見事で繊細に響き中音域の表現も良い。

ホルスト:吹奏楽のための組曲(フェネル指揮クリーヴランド/TELARC)




HD598ではやや密度が薄く感じたがもちろんそんな事はなかった。解像度が一気に上がり聴き応えが増した。あとやはり大太鼓の地を揺るがすかのような強打が凄まじい。くれぐれも再生音量には注意。金管の抜けの良さも素晴らしい。

シベリウス:レミンカイネン組曲(デイヴィス指揮ロンドン/RCA)




元々優秀録音盤だったがさらにベールが1枚剥がれてより鮮明になった。付帯する繊細な空気感も伝わってくる。綺羅びやかなK712PROだがこうゆうほの暗い録音もナチュラルに鳴らしてくれる。寝静まった真夜中にしんみり聴くには格別だ。

ムソルグスキー:禿山の一夜(ドホナーニ指揮クリーヴランド/TELDEC)




大太鼓がドスドスと音圧がグッと増した。低域がよく鳴るといってもタイトな質感だから聴いてて気持ちがいい。

レスピーギ:ローマの松(ガッティ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア/RCA)




空間表現力に秀でてるから小鳥の声やバンダ(舞台裏金管)に実際のホールで聴いてるかのようなスケール感・臨場感がある。高解像度のお陰でオルガンの音も右側からようやく聴こえた。

レスピーギ:ローマの祭り(マゼール指揮クリーヴランド/DECCA)




1976年のアナログ時代の超優秀録音盤。HD598では詰まったように聴こえたが広大な音場により解消。金管がブリブリと鳴りソリッドに切り込んでくるが全くうるさくならないし痛くならない。4曲目「主顕祭」の乱痴気騒ぎな最強奏時でも各セクションの旋律が聴き分けられるのは凄い。

シューベルト:交響曲第4番「悲劇的」「ジュリーニ指揮シカゴ/DG)


1978年のアナログ録音から。元は黒光りするサウンドとズシリとした質感が魅力の良録音。低域から中域、高域とよく伸びてる。HD598ではやや硬質で冷たい肌触りに感じたが大分ナチュラルになったように思う。恐らく中域も量が増えたからよりフラットになってそう聴こえるんだろう。

ラヴェル:ピアノ曲集(スティーヴン・オズボーン/HYPERION)




HD598では大人しいピアノだなと思ったがラヴェルらしい色鮮やかで綺羅びやかな音に生まれ変わった。音が跳ねてるかのよう。これなら眠くならない。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲(アルテミス四重奏団/VIRGIN)




音圧が増したからエッジが効いた迫力が増した。四重奏各声部も明瞭に聴こえる解像度の高さに惚れ惚れ。ただシャープさが持ち味の四重奏団の演奏だとちょっと刺さりすぎて疲れるかもしれない。まろやかなHD598使用の頃は愛聴盤だったけどK712PROだとどうなるか。


ファイナルファンタジー13 - オリジナルサウンドトラック




・スノウのテーマ
ドラムスのアタックが実にキレがいい。エレキも鮮烈。HD598ではかき消されて聴こえずらったベースも認識出来た。
・閃光
パーカッションの存在感がリアル。抜けがいいから実に爽快。ストリングスも旋律がどう推移していくのか初めて分かったり何十回と聴いた曲なのに新鮮に響く。
・遺棄領域ヴァイルピークス
引き締まった低域のお陰によるこの粒立ちのいい跳ねるような躍動感はHD598では感じられなかったな。
・サンレス水郷
ただただ繊細で美麗で綺羅びやか。歌が入っても刺さることがない。
・コクーンdeチョコボ ~夢をみようよII~
意外と打ち込みバリバリなデジタルチューンな曲とも相性がグッド。こんな音が入ってたのかと新発見が多い。
・君がいるから
やはり歌ものでもサ行は刺さらない。

零の軌跡 - オリジナルサウンドトラック




・Get Over The Barrier!
エッジが立っててHD598より倍増しなキレッキレなドラムが鮮烈。
・Intense Chase
HD598だとうるさくなってるだけの印象だったが各音域がバランスよくフラットに鳴ってまともに聴けるように。いまいちだった楽曲も音が変われば見違える。
・Limit Break
こうゆうデジタルチックな曲もオールラウンダーだからお手の物。高音の鳴りが鮮やか。そして弾むようなリズム感も出た。
・古の鼓動
低域・中域にこんなに聴こえてこなかった音があったのかと情報量に驚き。
・A Light Illuminating The Depths
エレキの高音から低音までリアルなサウンドでよく響く。伴奏の楽器の音もよく聴こえる。
・Arrival Existence
HD598だとやや落ち着いた感じだったが音にキレが出たお陰かスピード感が出て印象が結構変わった。

ラストレムナント - オリジナルサウンドトラック




・Flamedrop
この曲にこんな重低音が入ってたんだと驚き。
・Sword Sparks
・Reversal!
ハードロックでも広い音場が邪魔することなくエッジが鋭くノリがいい。低域増加のお陰でドラムスやベースの迫力がある。この鳴りで不満があるならドンシャリ系ヘッドホンへ行くしかないだろう。

新・ロロナのアトリエ - オリジナルサウンドトラック




・Falling,The Star Light
ハモリの高音も刺さらない。オルゴールはその場で鳴ってるかのようなリアルさ。
・水辺の詩
アコギの存在感、音の鮮度の良さ。フルートが入っても分離がいいからかち合わない。
・Eyes of the Dragon
音像の定位感が良いからか目の前で鳴ってるかのようだ。
・紫電清霜
このキラキラサウンドはHD598では頭打ち感あったけどようやく本来の曲の良さが引き出せた。また598で埋もれがちだった低域のドラムもよく聴こえるように。




まずHD598に慣れた耳を補正するのが大変だw そのHD598から1枚ベールが剥がれたかのような鮮明さ。曇り空から快晴になったかのよう。大きなコンサートホールで聴いてるみたいに音像はやや奥へ、音場は幅広くなり品よく色鮮やかに鳴らしてくれる。綺羅びやかで伸びのある高音域、埋もれずフラットによく鳴る中音域、多すぎず少なすぎずそれでいて弾むようにタイトな低音域が魅力。ややもするとどの音域もフラットだからモニター的でもあるけどそのお陰か以前より集中して音楽に没入出来るようにもなったな。良く聴けるから○曲だったり微妙だった曲も印象がガラリと変わった。流石に2年前感じたオーディオテクニカのATH-AD500からAKG Q701に変えた時の涙が出るような感動はないものの自分の耳をアップグレード出来たかのようで満足度は非常に高い。4万強でこの幸せが買えたんだから安いものだ。




つけ心地


違和感無し。側部も頭部もどこも全く圧迫されない。Q701の時もHD598の時もメガネ着用のせいで側頭部が痛かったんだけどK712PROでは全然平気。耳周りのメガネフレームも押さえつけられて痛くならない。HD598で頭部が変形でもしたんだろうかw 2~3時間ぐらい連続で付けてたけどあんまり疲労はない。公称298gとHD598より50gぐらい重くなったけど重さの変化はあまり感じないな。それだけつけ心地が快適にフィットしてるってことなんだろう。あとHD598ではヘッドバンドのクッションに押されて頭頂部の髪がペタンとなってこれがイヤだったんだがK712PROだと幅のあるヘッドバンドのお陰で均一に押されるからかあまりペタンと押されないような感じ。

音漏れ


開放型なので自然と音が漏れるわけだがそんなに気にならないかな。HD598とほぼ同じぐらいな気がする。微かな記憶だがQ701の方がよっぽど漏れてたような。でも通常聴く音量でエージングしてた時に3m離れても聴こえてくるんだから大分漏れてる方ではあるなw

遮音性


開放型なのでこちらも自然に外部の音が入ってくる。でもHD598より外部から聴こえる音は少な目な気がする。その辺は低反発素材のイヤーパッドが耳周りに密着してより遮音してくれてるからなんだろうか。




以上がK712PROの稚拙ながらのレビューでした。まぁあくまでも目安ってことで糞耳・糞環境なんで他のレビューあたった方がよっぽど参考になるかとw 語彙が貧素だからほんと同じような事しか書けないからなぁ。

こうして思いがけずHD598とK712PROの2台体制になった。最初はHD598はTV(アニメ・映画など)とゲームサントラ・ポップス専用にして使いわけようかと思ったんだが思いがけずK712PROがオールラウンダーだった。ま、勿体無いからTVには使わないけど音楽聴く用途に関してはもうHD598は出番ないかもなぁ。じゃあ売るかというとそうはならない。もしK712PROが壊れたらの代替機だしもしかしてまた柔らかくまたーりとしたサウンドに戻りたくなるかもしれないしね。あと前回45000ぐらいの出費と書いたけどAmazonだと今ならポイント還元があるから40000円の出費だな。他で買うとSoundHouseではもっと安く買えるけど訳あってコンビニ受け取りしたかったので。だってヘッドホン如きにこんなバカ高い金掛けたと家族に知れたら…ね?w 一般世間ではヘッドホンに1万でもおかしいと思われるだろうしましてや3万、4万とか狂気の沙汰だろうしなぁ。

そういやこの資金は元々PS4用貯金だったんだが…まぁあと半年後ぐらいにするかw

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この後また書きたい事があったり新発見があったらレビューするかも。
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コメント

  1. 名無しさん | -

    去年の話ですがQ701について調べていた時にこのサイトを見させてもらいまして、K712 PROの存在を知りました。
    そんでクリスマス直前くらいに買いましたが、とても良好です!
    管理人さんには一言お伝えしたいなあと考えていたので、コメントさしてもらいました!良いお年を!

    ( 16:14 )

  2. 管理人 | -

    こんにちわ~。こんな拙い記事を読んで頂けただけでも恐縮なのにどうやらお役にも立てたようで書いてよかったです。K712PRO、この価格帯のヘッドホンではほんと最高のヘッドホンでいまだ聴く度に新鮮さがありますね。そちらも良いお年を&良い音楽ライフを^^

    ( 19:00 )

  3. 名無しさん | -

    HD598を六年使いました、K712PROも付け心地がよくと聞き、試しに購入しました。
    音に関するは、多分うちのヘッドホンアンプと相性が悪いせいで変な音でした、評価はしない。
    でも、HD598に慣れた俺にとって、K712PROの付け心地が悪いと思う。重いし、側圧が強いし(メガネ付き、頭大きのせいかな)、そして数分つけると耳が熱くなる。(HD598なら、音楽を聞きながら、イスの上で寝ちゃうこともできますの心地よいでした)
    以上、これからもHD598でよろしく。

    ( 01:40 )

  4. 結局は人それぞれですしね。特に音質、装着感含め個人差によるところが大きいヘッドオンのレビューほど役に立たないレビューはないのではないかと思いますw 実はこの記事の後に自分も馴染みのHD598に舞い戻って数ヶ月使ってたのですがやはりクリアな音質のK712PROには抗えませんでした。慣れってのを振り解いてまで使う魅力が自分にはありましたね。ま、これもあくまでも個人の主観ということでw

    ( 23:10 )

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