この間晴れてトゥルーエンドまでクリアした『よるのないくに』(記事:よるのないくに プレイ日記Part9(トゥルーエンドへの道))。わざわざ引っ張り出して(DL版だが)プレイした理由はこの記事(最近買ったゲームのサントラ(2017年5月~7月))で書いたとおりオフィシャルサウンドトラックを買ったのでちゃんと全曲聴くためにゲームプレイとして実体験したかったから。まぁいざ実体験したら倒すのに夢中だったりナイトメアフォーム曲のお陰で殆ど聴いた記憶がないんだけどねw

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雑感

今作のOSTは限定版のプレミアムBOX同梱オンリーで市販されてない。なので仕方なく中古屋で購入。OSTを個別に売らない理由は多分採算面だと思うが折角の珠玉の楽曲が正規の流通で入手出来ないのは残念だ。続編の2もこの同梱商法だし将来アトリエシリーズもこのようになってしまわないかとても心配。

作曲者は当時のサウンドチームの柳川和樹さんと浅野隼人さん、そして外部スタッフとして阿知波大輔さんが参加されている。この組み合わせの3人は『シャリーのアトリエ』のときからサウンドを支えていてある意味この時期が黄金期でもあったな。そして今年2017年になって柳川さんも浅野さんもコーエーテクモを退社。今となってはこのゲームの作曲者3人とも去っているというチームの入れ替わりの激しさを感じさせ感慨深いものだ。そしてこの時期にチームに矢野達也さんが参加することになるがソフィーのアトリエには楽曲で参加されてたけどよるのないくにではサウンドエフェクトとして参加されてた。

ブックレットには手抜きなのか単に書き忘れたのか曲別の作曲者が記載されてないけどゲームのEXTRAコンテンツの音楽鑑賞コーナー見れば一目瞭然だから助かる。

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改めて作曲者コメント読んでいくとなんと曲の大まかな使用場面が見出しとして書かれているではないか。場所だけでなくイベント曲はどういったムードかも記載されてて使われてた場面をすぐ忘れる記憶力のない自分にはすごい助かる。よるのないくにの後のフィリスのアトリエ音楽堂はこうはなってなかったし他のアトリエシリーズもこうなってなかった。PかDの思想の違いだろうか。あとコメント欄のスペースがアトリエシリーズのコメント欄より広めで文章量も多め。多分無駄な画像で装飾してないからだろう。今思うとあの飾りは意味がなかったな。

感想

リスニング環境はいつも通りヘッドホンはAKG K712 ProとオーディオカードはAsus Xonar Essence STX、再生はfoobar2000。


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1曲目の『Eve on Piano』はトゥルーエンドに達したら聴ける『Eve』のピアノアレンジでしっとり切なく。タイトル曲からトゥルーエンドにいざなってくれていた。続く『Overture』は仰々しくもミステリアスでやはり切なく。そして奮い立たせる勇壮さもある。次の『夜想曲』では再びピアノで切なく心に響かせる。途中の物憂いメロディが心に沁み入る。柳川さんはこれら最初の3曲で今作の世界観を完璧に表現されててさすがといったところ。

そして浅野さんらしいリリカルで爽やかな『雨花』はゲームプレイ中で一番耳に残ってたし全曲で一番好きな曲。ギターの音が鮮やかで心地よくフルートの澄んだ調べが気持ちいい。この曲を聴いてるとホテルエンデの楽しげなひとときやアーナスとリュリーティスが微笑みながら手を繋いで歩いてる情景が思い浮かぶ。そして『花は雨のように散って』は雨花のアレンジ違い。こちらはピアノでしっとりと。Bメロはより切なく寂しげに。リュリーティスが孤独を感じるテーマだろうか。曲名通りアーナスとふたりになると雨花のように彩りが出る。

印象的だったふたりのダンスシーンで流れた『ダンスは後悔と共に』。途中からのピアノの盛り上がりには万感胸に迫り泣かせられる。ノーマルエンドED『Regretto』のアレンジということは後々悲劇的な意味合いにも感じられてしまうな。

ワールドマップ曲の『霧の中で』はベールを1枚隔ててるかのような幻想的な雰囲気。まさに夜の帳が下りたムーディーさがお洒落。システム的に滞在時間が短いから聴き流しがちだったがサントラとして聴いて初めて良さが分かった曲だ。

イベント曲『夜が明けル前にこの先ヲ』も大好きなメロディ。儚くも穏やか。大野慶さんのしっとりと歌わせたヴァイオリンがただただ美しくて胸を打つ。

他のイベント・日常曲で気に入った曲を挙げていくと『デンワノオト』は電話を模したと思われるピコピコ音の軽快な疾走感が好き。『anxiety』はまさに勇壮に奮い立たせて立ち向かっていくかのようでこの曲もよく聴いた記憶。『Are you enjoying the time of Ende?』は帰還後にホッとするひとときを味わえるリザルト曲。簡潔ながらも即興的なくだけた雰囲気が耳に残る印象深さ。『私と夜とセルヴァンと』はジャジーで楽しく駆け抜けるようなノリのいい曲。小山尚希さんのコントラバスならではの深みのある低音が素敵だ。『1つの終を迎えては』は慰められるかのようで心が安らぐ。『Hotel Ende』は軽妙で落ち着いた雰囲気。ムーディーなエレキといいどことなく南国のホテルリゾート感がある。『婉麗』はコーリンのテーマでミステリアスさもあり優美さもある雰囲気。ただただ切なくて胸を打つ。そしてこの曲の浅野さんのコメントも切ないw


もちろん他の曲もどれも素晴らしい。フィールド曲は主に阿知波さんが担当。『Lady Crimson』はまさに冒険の幕開けに相応しい熱気と勇壮さ盛り盛り。『Malicious Roses』は流れる場所が庭先なのにメタル炸裂というミスマッチさが面白い。これら2曲はいかにも阿知波さんらしいメロディアスで熱く勇壮な曲。チェンバロ的な音もゴシックな世界観に合っていて雰囲気満点だ。そして平松俊紀さんのエレキもガンガンに唸りまくりで最高。よるのないくには叙情的な曲も素晴らしいがこういったアゲアゲ系もレベルが高い。『Rusty Trail』は下水道フィールドで流れる曲だがジメジメを吹き飛ばす爽やかな疾走感。ホルンの咆哮が格好いい。『Lunatic Circus』はおどけた可愛らしさとメランコリックさがあって楽しい。まさにサーカスフィールドに相応しいわちゃわちゃ感。『Shallow Grave』はフィールドがああいった場所だけに諦観するかのような静謐な雰囲気が堪らなくて心に沁み入る。『Rhapsodia』はEXTRAシナリオで行くことになるクールプリゼ宮の曲である意味トラウマ曲。これも奮い立たせる勇壮さがあって胸が熱くなる曲だ。どうでもいいことだがどことなくピアノのメロディラインがトラスティベルのラスボス曲に似ていなくもない。『Bloody Blue』はラスダン曲。スネアのまくし立てるようなマーチ風なリズムが勇ましくて何度も繰り返したBLOOD稼ぎマラソンの士気も上がった。

他のフィールド曲では柳川さんがルースワール歌劇場で流れる『Masquerade』を担当。メランコリックで楽想がワルツのようにめくるめくドラマチックに展開していくのが楽しい。浅野さんはうつろいの美術館で流れる『悲憤慷慨』。悲劇的ながらもドラマティックに立ち向かっていく。疾走感に溢れるサビが格好よくて魂を揺さぶられる。大野さんの強靭な弾きっぷりのヴァイオリンにもしびれる。サビ前のパーカスが響き合うところも好き。どことなくソフィーのアトリエ『薊蓮花』を彷彿させる曲の構成。


ボス戦曲は柳川さんと浅野さんで担当。『Goliath Z』は理屈抜きのハードロック。Katzuya Shimizuさんのエレキが切れ味バツグン。川原口誠さんのベースも生ならではの存在感がある。『Waltzing Gallop』はイントロのウッドブロックと主部のキックドラムのパカラッパカラッ感が楽しく一気呵成にまくし立てる展開と後半の勇壮なホルンが格好いい。『Vivace』はイントロから粗野で賑々しいブラスが勇ましくて格好いい。ストリングスとクラリネットが掛け合いするところや後半音程が上がるのも堪らない。『Paja』は怪しい雰囲気で鋭く打ち鳴らされるパーカスとエレキの力強さが格好いい。『天衣無双』は威風堂々としたオケとエッジの効いたエレキとベースにしびれる。悠然としたテンポの中で孤軍奮闘しながら立ち向かっていく雰囲気があって対ドラゴン戦に相応しい盛り上がり。6分近くもある長尺だがエレキのShimizuさんのプレイが格好よすぎて切るに切れなくなったかららしい。こうゆうライブ感あるセッションの雰囲気は良いね。『錦上に花を添えるが如く』はコーリン戦での特別な曲。『悲憤慷慨』のメロディを引用しつつやはり勇壮に立ち向かっていく。やはりShimizuさんのエレキの唸りっぷりが熱い。『Who wishes dawn?』は可愛いラスボスの曲。イントロのいかにも最終決戦っていう神々しさに震える。ひたすら上へ上へ上がりつめていく勇壮さにも高まるしかない。終盤オーボエでしっとりしたあと再び盛り返すようにまくし立てるところが格好いい。


歌ものでは『predge』『Regretto』もどれも素晴らしい。もちろん曲の素晴らしさもあるがM・A・Oさん五十嵐さんと歌唱力が高い人が歌ってるからより完成度が高くなって心に響く。特に『predge』のゆきんこさんのあの杏子とは思えない情感豊かな歌が絶品。艶のある歌声でほんと心地よくて好き。ともよちゃんも歌っていて好きな歌声なんだがいかんせん曲が短いのが残念。


ちなみにトゥルーエンドへ至るまでのEXTRAシナリオの音楽としてはミストラルのテーマ『Reptile Queen』は彼女の見た目が蛇、蛇といえばマハラジャ、だからシタールの響きで怪しげ。彼女との戦闘曲『Edge of Apocalypse』はRhapsodiaのメタル風味なアレンジ。やはり平松さんのエレキが唸りまくる。

もうひとつのEXTRAシナリオのクリスのテーマ『合わせ鏡と道化』はチャーミングでミステリアス、そんな彼女にぴったりな戯けた調べ。クリス戦闘曲『The Girl of the Opera』はダイナミックにぶつかり合うオケサウンドとコーラスの絶叫で威圧。さぞクリスの演劇という名の戦闘は爆演となったことであろう。その後のイベント曲『arietta』は感情に任せて歌ってたあのシーンの悲痛なメロディ。ともよちゃんのクリスになり切った歌い方がこれまた素晴らしい。この曲の柳川さんのコメントが皮肉ってて笑った。そしてトゥルーエンドED曲『Eve』はアーナスとリュリーティスのデュエット。曲もふたりの歌声も切なくも甘美でもう酔いしれるしかない。特にサビでふたりが交互にハモリ合うところが意味合いを感じて好きだ。

まとめ

全74曲中で特に気に入ったのは40曲あった。ミステリアスだったりヒロイックだったりジャジーだったりとこの独特な世界観縛りでもバラエティに富んだ今作の珠玉の楽曲たち。特に印象に残ったのは落ち着いたトーンの曲でどれも琴線に触れる良さがあった。もちろんアップテンポの曲も他のゲームとは一線を画するクオリティ。改めて浅野さん、柳川さん、阿知波さんのセンスと才能に敬服だ。ガスト音楽の魅力はアトリエシリーズだけじゃないんだと実感出来て嬉しかった。

『よるのないくに』の発売日は2015年10月1日、そして『ソフィーのアトリエ』の発売日は2015年11月18日ということでもしかして平行作業で作曲されてたのかもしれないな。確かに音質とかサウンドの空気感は似たような雰囲気がある。でも曲は同じ作曲者でもアトリエとは全く違う毛色。例えばアトリエ音楽では風や海や森とかそういった自然の息吹を感じ取れたんだけどよるのないくにの音楽はそういった自然の音が聴こえてこない。ただただ聴こえてくるのは夜の歌。まぁゲームがああゆう世界観という先入観が働いてるからかもだしもしかして楽曲を同時期のソフィーのアトリエと入れ替えても同じ感想持つかもしれないがw

こうなると続編に期待が高まるが公開された2017年8月31日発売予定【よるのないくに2】オリジナルサウンドトラック試聴 - YouTubeを聴く限り最初の曲の『白百合』と『夜色の花飾り』は少なくとも阿知波さんじゃない、だから消去法でガスト所属のはずの矢野さんってことになるが他に外部のコンポーサーを招いてる可能性もあるから断定は出来ないなぁ。矢野さんらしさはパーカスに特徴ありなんだがこの曲だけでは断定出来ず。でもメロ的に矢野さんっぽい気はする。最後の歌『Lucia』、これは分かりやすいほど阿知波さん節全開だなw ゲーム全体の本当の作曲者が分かるのはVGMdbみんなで決めるゲーム音楽ベスト100まとめwikiで有志によってデータが追加されてからだなぁ。実は意外なメンバーだったりするのかも。いずれにせよ大体あと一ヶ月後、その情報によって将来的にゲームも買おうかなとは思う。そしていつかはサントラも入手しやすくなってるはず…。

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