ゲーム開始早々、のっけから混沌渦巻く中世日本の映像がドーンと出てくるわけですがこの時点ではい、名作。この陰鬱に血で汚れた雰囲気…紛れもなくあの当時の合戦の匂いですよ(いや知らんけど)。武士が蒙古兵に斬首されるまでのあの独特の間や表情も見事。そりゃ数多のクリエイターさんたちが絶賛するわけですよね。そしてこれが海外のゲームメーカーから産み出されたという事実に愕然とするわけです。正直ここが自分は一番引っ掛かっていたのかもしれない。心の奥底で日本人として海外メーカーにやられたのが悔しい、って気持ちがあったんだと思います。だから敢えてTsushimaを避けていたというのは否めません。でもさすがに実際の目でこんなのを見せられたら降参する他ないですね。悔しいけど素晴らしい。日本への愛を持って制作しているっていうのがひしひしと伝わってきました。ブラボー、あっぱれ。
ま、そんな自分のチンケなプライドはともかくとしてゲーム開始時にモードを選択出来るけど黒澤モードってのがあってフィルムライクになる効果のよう。いやはやそこまで徹底しますか。さらにゲーム設定から字幕の調節も出来てユーザビリティもばっちし。ぐぅの音も出ない。大体世の中から絶賛されるゲームはシステム以外のこうした気配りもしっかりしているんですよね。
プレイヤーは竹中直人っぽい風貌の丸顔なおっさん侍「堺井仁」となるみたい。イケメン侍として活躍するよりは愛着も親近感も湧くというものです。これが日本のゲームメーカーだと間違いなくイケメン化するはず。さらに手助けしてくれる「ゆな」っていう男勝りに逞しい女性も登場。こちらも日本のゲームメーカーだと美女になるかロリっ子か、それともマスコット的な動物キャラになるか。で、暫くは自身の装備を探して村を抜き足差し足忍び足。途中で横へ下へ隙間を通ったりするけど同じようなシチュエーションがあったライザのアトリエや軌跡シリーズとついつい頭の中で比べてしまいますね。もちろんこっちはファンサービス皆無。ゆなの尻を目で追っても何も嬉しくない。
無事太刀を入手して主人公の頭がフラッシュバック。なるほどチュートリアルをこうゆうかたちで組み込むのはナイスアイデア。そしてここの稽古舞台がまた美しくて見惚れてしまう。顔のモデリングは明るい場所だとさすがにCG臭さが出てしまうけどそれでも極めて高いレベルでの話。そういえばイントロダクションから「誉れ」って単語がやたら出てきてここでも誉れ。この言葉が今作の根幹となるようです。最後の志村殿と少年堺井仁との勝負は負けてしまいましたよ。
回想から戻ったあとの主人公が太刀を構えるシーンがすごいキマってて格好いい。多分これまでもそうだけど色々と日本作品のオマージュとかも入っていそう。さぁ馬を入手してこれで足が出来た。馬は3匹から選べたけどやはり主人公機は目立たねばというわけで白馬の王子さまといこうじゃないですか。名前は白馬に相応しい「空」。
城にのりこめーってことでここから一騎討ちも出来るようになっててタイミング合わせてワンボタンでお手軽に一騎討ち。当時の武士が見たら噴飯もの。でもこれは自分でも難なく出来るので楽しい。さらに城を登り進めていくけど…え~とこれ難易度ノーマルで厳しくないですか?いやいや…自分にはそんな徳のある誉れは持ち合わせていないので素直にプライドを捨てイージーに切り替えました。ええ、軟弱者です。さすがに昔デモンズをクリアした頃のような集中力と負けん気はもうないのですよ。
で、お目当てのボスはコトゥン・ハーンとかいうパチもん。甥が叔父を取り戻す一世一代の大勝負といきたいところだけど敢え無く…。てっきりあの大男は序盤のお手軽中ボス程度かと思ってたけどどうやらメインストーリーの大ボスとなるんですかね。
主人公は以前にもそんなトラウマがあったみたいで父親が自分を庇って死んだ過去がフラッシュバック。そりゃあんな壮絶な最後を見てしまったら…。しかしおばさんに従って進むときのあの情景の息を呑む美しさときたら…。ローディングとかサクサク感とか抜きにしたらPS5なんていらないんじゃないかってぐらいPS4でも十分眼を見張るグラフィック。その直前の日本庭園シーンもよく出来ていてこれ本当に外国人たちが作ったんですかねってぐらい。クリエイターの皆さんが悔しがっていたのも納得。で、そしてあの大塚明夫ボイスが渋い志村の叔父さんの世話になるというわけですか。父親の無念の意志を叔父を介して息子が継ぐ良いシーン。ただ心が汚れてる大人なので叔父の「迎え入れよう」という台詞にアッー!って感じではありましたが。
こうゆうシーンひとつとっても何か映画とかのオマージュが入ってるのかもしれませんね。それだけゲームとは思えない映画的なクオリティ。
ゆなと合流。やっぱりゆなが今作のヒロイン的ポジション?今後絶世の美女や健気なロリっ子が出てくることはないんですかね?いやゆなに不満は全くないんですけどね。声優さんは誰なんでしょう。いかにもな声優的じゃないナチュラルな良い芝居してて劇団の方とかなんでしょうか。もちろん主人公の声優さんもなんら違和感のない良い芝居しています。とりあえずネタバレ回避でウィキペディアとかはまだ封印。クリア後のお楽しみにしておきましょう。どうやらこのあとは敵の大将を討ち対馬を取り戻すためにゆなと一緒に行動するようで。まず手数がいないことにはどうしようもないので今後は仲間集めになりそう。そしてゆなの弟のたかが鍛冶屋職を持ってるみたいでいわゆるそうゆう位置づけになるよう。いいね、こうゆうRPG的なお決まり展開は分かりやすくてホッとしますしやっぱり王道はワクワクしますよ。
そのあとは馬で疾走。そしてやっとのタイトルコールでGhost of Tsushima」がデデン!素晴らしい様式美。もう映画だこれー。
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