前回のファーストインプレッションに続いて今回は実際K712PROを聴いてのレビュー。あれからエージングは結局25時間ぐらいやってしまってた。

buy_headphone_k712pro_016a.jpg

過去オーディオ記事

再生環境

HD598同様にPCに装着してある「Xonar Essence STX」のリアヘッドホン端子からK712PROへ繋げた。インピーダンスは最初NORMALの0~64Ωのまま聴いたんだけどどうも鳴り切ってない感じがあったのでHigh Gainの64~300Ωに変えたら納得の音になった。K712PROは公証インピーダンスが62Ωだけどやはりもう少し余裕持たせた方がいいみたいだ。だからヘッドホンアンプやオーディオカードの類いは必須だね。将来的には外部USBオーディオに変えたいところだが…。

buy_headphone_k712pro_015.jpg

再生ソフトはfoobar2000でリッピングしたFLAC音源を使用。毎度の事ながらこの手のは個人の主観による感想になるのでその点はあしからず。

各CD視聴レビュー

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」(ドホナーニ指揮クリーヴランド/DECCA)

ドヴォルザーク:交響曲第8番・第9番<新世界より>

まずは自分のヘッドホン判断基準としていた愛聴盤。Q701でも一番最初に聴いた1枚。まず一聴して音場の広大さに感動。フォルテで鳴る強奏時でも出てくる音に余裕がある。だから飽和せず各セクションの楽器が明瞭に聴こえてきた。音も実体感があって生々しい。特に金管の輝かしさが増した。各楽器もソリッドに切り込んでくる。HD598に慣れた軟弱な耳には刺激的。だが心地いい。

マーラー:交響曲第5番(ドホナーニ指揮クリーヴランド/DECCA)

マーラー:交響曲第5番

情報量の多い典型的なDECCA的マルチマイク録音だがK712PROで聴くとまだ聴いた事がない旋律が浮かび上がってくる解像度の高さに恍惚。音場の広さのお陰でややもすれば人工的な録音もナチュラルに聴こえてくる。低音が増したから重量感も出てきた。シンバルやトライアングルといった甲高い打楽器は明瞭。トランペットやホルンの抜けの良さも抜群。あまりに良く聴こえ過ぎてさながらティンパニ&ホルン協奏曲みたいになってるというw

ショスタコーヴィチ:ジャズ組曲第1番(シャイー指揮コンセルトヘボウ/DECCA)

ショスタコーヴィチ:ジャズ音楽集

ヴァイオリン独奏やギター、サックスなど楽器の生々しさや臨場感が増した。グロッケンシュピールやシロフォンがやたら存在感あるのは高音域が綺羅びやかで中音域も量感が増したお陰だろう。

ストラヴィンスキー:春の祭典(サロネン指揮ロサンゼルス/DG)

ストラヴィンスキー:バレエ春の祭典/バルトーク:中国の不思議な役人

腹に響く大太鼓の重低音がHD598でも印象的だったが低音域の量感が増したお陰でさらにズシリと重みが増した。もちろん中・高音域もバランスよく伸びてくれるから特に9曲目「長老の行進」、11曲目「選ばれし生贄への賛美」の迫力が壮絶。でも音がカオスにならず整然としてる。

ドビュッシー:選ばれた乙女(サロネン指揮ロサンゼルス/SONY)

Nocturnes / La Damoiselle Elue

よりホールトーンが豊かになり繊細な空気感の雰囲気も伝えてくれて芳醇だ。ソプラノと女声合唱が入るけど甲高い音でも刺さらず余裕に鳴らしてくれる。

ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容(アバド指揮ベルリン/DG)

ヒンデミット:交響曲「画家マティス」、組曲「気高き幻想」、ウェーバーの主題による交響的変容

90年代のDG録音は低域不足でハイ上がりの硬質なサウンドになっているケースが多く以前までなら聴いててあまり楽しくなかったが音場の広大さと抜けの良さのお陰で詰まった感じが解消。強奏時でもうるさくなくナチュラルになった。こうゆう平凡な録音でもK712PROが魅力的なサウンドに変容してくれるんだから凄いものだ。

サン=サーンス:交響曲第3番「オルガン付き」(オーマンディ指揮フィラデルフィア/TELARC)

Sym 3

貧弱な再生環境だと出てくる音も貧弱になる再生が難しいテラーク録音。もちろんK712PROはHD598同様再生に問題なし。2楽章、終楽章のオルガンの低音が明瞭。背景で鳴ってる超重低音もばっちり。終楽章コーダでオルガンが轟くような重低音響かせながら音階降りていって大太鼓一発鳴らすところには鳥肌。なんて存在感のある音だ。HD598ではこんなリアルに重く聴こえてこなかった。弦の表現も見事で繊細に響き中音域の表現も良い。

ホルスト:吹奏楽のための組曲(フェネル指揮クリーヴランド/TELARC)

Ste 1/2/Fant/Royal Fireworks

HD598ではやや密度が薄く感じたがもちろんそんな事はなかった。解像度が一気に上がり聴き応えが増した。あとやはり大太鼓の地を揺るがすかのような強打が凄まじい。くれぐれも再生音量には注意。金管の抜けの良さも素晴らしい。

シベリウス:レミンカイネン組曲(デイヴィス指揮ロンドン/RCA)

Sibelius Tone Poems

元々優秀録音盤だったがさらにベールが1枚剥がれてより鮮明になった。付帯する繊細な空気感も伝わってくる。綺羅びやかなK712PROだがこうゆうほの暗い録音もナチュラルに鳴らしてくれる。寝静まった真夜中にしんみり聴くには格別だ。

ムソルグスキー:禿山の一夜(ドホナーニ指揮クリーヴランド/TELDEC)

Pictures at an Exhibition

大太鼓がドスドスと音圧がグッと増した。低域がよく鳴るといってもタイトな質感だから聴いてて気持ちがいい。

レスピーギ:ローマの松(ガッティ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア/RCA)

Respighi;Fontane Di Roma

空間表現力に秀でてるから小鳥の声やバンダ(舞台裏金管)に実際のホールで聴いてるかのようなスケール感・臨場感がある。高解像度のお陰でオルガンの音も右側からようやく聴こえた。

レスピーギ:ローマの祭り(マゼール指揮クリーヴランド/DECCA)

Respighi: Feste romane, Pini di Roma / Maazel, Cleveland Orchestra

1976年のアナログ時代の超優秀録音盤。HD598では詰まったように聴こえたが広大な音場により解消。金管がブリブリと鳴りソリッドに切り込んでくるが全くうるさくならないし痛くならない。4曲目「主顕祭」の乱痴気騒ぎな最強奏時でも各セクションの旋律が聴き分けられるのは凄い。

ラヴェル:ピアノ曲集(スティーヴン・オズボーン/HYPERION)

Complete Solo Piano Music

HD598では大人しいピアノだなと思ったがラヴェルらしい色鮮やかで綺羅びやかな音に生まれ変わった。音が跳ねてるかのよう。これなら眠くならない。

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲(アルテミス四重奏団/VIRGIN)

Beethoven: Complete String Quartets

音圧が増したからエッジが効いた迫力が増した。四重奏各声部も明瞭に聴こえる解像度の高さに惚れ惚れ。ただシャープさが持ち味の四重奏団の演奏だとちょっと刺さりすぎて疲れるかもしれない。まろやかなHD598使用の頃は愛聴盤だったけどK712PROだとどうなるか。

ファイナルファンタジー13 - オリジナルサウンドトラック

ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック

  • 『スノウのテーマ』・・・ドラムスのアタックが実にキレがいい。エレキも鮮烈。HD598ではかき消されて聴こえずらったベースも認識出来た。
  • 『閃光』・・・パーカッションの存在感がリアル。抜けがいいから実に爽快。ストリングスも旋律がどう推移していくのか初めて分かったり何十回と聴いた曲なのに新鮮に響く。
  • 『遺棄領域ヴァイルピークス』・・・引き締まった低域のお陰によるこの粒立ちのいい跳ねるような躍動感はHD598では感じられなかったな。
  • 『サンレス水郷』・・・ただただ繊細で美麗で綺羅びやか。歌が入っても刺さることがない。
  • 『コクーンdeチョコボ ~夢をみようよII~』・・・意外と打ち込みバリバリなデジタルチューンな曲とも相性がグッド。こんな音が入ってたのかと新発見が多い。
  • 『君がいるから』・・・やはり歌ものでもサ行は刺さらない。

まずHD598に慣れた耳を補正するのが大変だw そのHD598から1枚ベールが剥がれたかのような鮮明さ。曇り空から快晴になったかのよう。大きなコンサートホールで聴いてるみたいに音像はやや奥へ、音場は幅広くなり品よく色鮮やかに鳴らしてくれる。綺羅びやかで伸びのある高音域、埋もれずフラットによく鳴る中音域、多すぎず少なすぎずそれでいて弾むようにタイトな低音域が魅力。ややもするとどの音域もフラットだからモニター的でもあるけどそのお陰か以前より集中して音楽に没入出来るようにもなった。良く聴けるから微妙だった録音や曲も印象がガラリと変わった。流石に2年前感じたオーディオテクニカのATH-AD500からAKG Q701に変えた時の涙が出るような感動はないものの自分の耳をアップグレード出来たかのようで満足度は非常に高い。4万強(当時)でこの幸せが買えたんだから安いものだ。

つけ心地

違和感無し。側部も頭部もどこも圧迫されない。Q701の時もHD598の時もメガネ着用のせいで側頭部が痛かったんだけどK712PROでは平気。耳周りのメガネフレームが押さえつけられるけど痛くならない。HD598で頭部が変形でもしたんだろうかw 2~3時間ぐらい連続で付けてたけどそんなに疲労はない。公称298gとHD598より50gぐらい重くなったけど重さの変化はあまり感じないな。それだけつけ心地がフィットしてるってことなんだろう。あとHD598ではヘッドバンドのクッションに押されて頭頂部の髪がペタンとなってこれがイヤだったんだがK712PROだと幅のあるヘッドバンドのお陰で均一に押されるからかあまりペタンと押されないような感じ。

音漏れ

開放型なので自然と音が漏れるわけだがそんなに気にならないかな。HD598とほぼ同じぐらいな気がする。微かな記憶だがQ701の方がよっぽど漏れてたような。でも通常聴く音量でエージングしてた時に3m離れても聴こえてくるんだから大分漏れてる方ではあるなw

遮音性

開放型なのでこちらも自然に外部の音が入ってくる。でもHD598より外部から聴こえる音は少な目な気がする。その辺は低反発素材のイヤーパッドが耳周りに密着してより遮音してくれてるからなんだろうか。


最初はHD598はTV(アニメ・映画など)とゲームサントラ・ポップス専用にして使いわけようかと思ったんだが思いがけずK712PROがオールラウンダーだった。ま、勿体無いからTVには使わないけど音楽聴く用途に関してはもうHD598は出番ないかもしれない。じゃあ売るかというとそうはならない。もしK712PROが壊れたらの代替機になるしもしかしてまた柔らかくまたーりとしたサウンドに戻りたくなるかもしれないしね。

関連記事
  • web拍手 by FC2
  • このエントリーをはてなブックマークに追加


コメント

  1. 名無しさん | -

    去年の話ですがQ701について調べていた時にこのサイトを見させてもらいまして、K712 PROの存在を知りました。
    そんでクリスマス直前くらいに買いましたが、とても良好です!
    管理人さんには一言お伝えしたいなあと考えていたので、コメントさしてもらいました!良いお年を!

    ( 16:14 )

  2. 管理人 | -

    こんにちわ~。こんな拙い記事を読んで頂けただけでも恐縮なのにどうやらお役にも立てたようで書いてよかったです。K712PRO、この価格帯のヘッドホンではほんと最高のヘッドホンでいまだ聴く度に新鮮さがありますね。そちらも良いお年を&良い音楽ライフを^^

    ( 19:00 )

  3. 名無しさん | -

    HD598を六年使いました、K712PROも付け心地がよくと聞き、試しに購入しました。
    音に関するは、多分うちのヘッドホンアンプと相性が悪いせいで変な音でした、評価はしない。
    でも、HD598に慣れた俺にとって、K712PROの付け心地が悪いと思う。重いし、側圧が強いし(メガネ付き、頭大きのせいかな)、そして数分つけると耳が熱くなる。(HD598なら、音楽を聞きながら、イスの上で寝ちゃうこともできますの心地よいでした)
    以上、これからもHD598でよろしく。

    ( 01:40 )

  4. 結局は人それぞれですしね。特に音質、装着感含め個人差によるところが大きいヘッドオンのレビューほど役に立たないレビューはないのではないかと思いますw 実はこの記事の後に自分も馴染みのHD598に舞い戻って数ヶ月使ってたのですがやはりクリアな音質のK712PROには抗えませんでした。慣れってのを振り解いてまで使う魅力が自分にはありましたね。ま、これもあくまでも個人の主観ということでw

    ( 23:10 )

コメントの投稿

(コメントの編集・削除時に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)


トラックバック

Trackback URL
Trackbacks