まずひとこと、何一つ不満のない珠玉のボーカルアルバムだった。今回は全曲好きなので全曲の感想を相変わらずの語彙力ながら書いていきたい。

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サウンドトラックのほうの感想は今までの記事のその1その2その3にて。再生環境は気分を変えてヘッドホンをAKG K702PROにしてfoobar2000のWASAPIモードでFLAC再生。オーディオカードはAsus Xonar Essence STX。

感想

Intro. ~far away~(インストゥルメンタル|作:柳川和樹) ・・・ ピアノでしっとり。エルトナの地面を歩きながら遠くに思いを馳せてる情景が思い浮かぶ。鳥の鳴き声はあの光刺す場所から聴こえてるんだろうか。

flora(OP|詞・作・ピアノ・ボーカル:南壽あさ子 編:湯浅篤) ・・・ 奮い立つような溌剌したリズムが心地いい。そして南壽あさ子さんの柔和で語りかけるような歌声が心地よく癒やされる。まさに希望と夢の冒険の始まりに相応しく聴いてると元気に駆けていくフィリスたちの絵が思い浮かぶ。詞もイマジネーション溢れててまさに物語を紡ぐ詞という趣きだ。ほんと素敵な言葉の数々。こころを海で表現したりと好きなフレーズを挙げたらきりがないほど。

わたしの見たい景色まで(OP2|詞・作:柳川和樹 ボーカル・コーラス:山本美禰子 ギター・ベース:Dani ピアノ:浅野隼人 秋葉原区立かんげんがく団!) ・・・ 『flora』が優しく応援するならこちらは力強く旅立っていくフィリスに捧げる歌といった感じだろうか。「あなたには見える道♪」はフィリスのリアーネへのあの想いを歌ってるのかもしれない。「土が撥ねて汚れるほど♪」ってのがいつも元気いっぱいなフィリスらしくて好き。柳川さんのリリカルでヒロイックな楽曲を彩るギターのDaniさんのソロは格好よく跳躍する浅野隼人さんのピアノも楽しく奏でられるストリングスの響きにも胸を打つ。疾走感とこれからの旅への憧憬に満ち溢れててこちらもオープニングらしいワクワク感でいっぱい。ちなみにこの曲はインストゥルメンタルアレンジされてOSTに『土が撥ねても前へ』として収録。この前の記事でも書いたがこちらも甲乙つけがたい素晴らしさ。

嵐を越えて(イベント|詞・作・コーラス:なるけみちこ ボーカル・コーラス:霜月はるか コーラス:岩垂徳行 ギター・ブズーキ:渡邉nabeken賢一 ヴァイオリン:土屋玲子 トロンボーン:岩垂徳行) ・・・ 歌詞の「心の底に鎮めた錨を上げ舵を取れ♪」に心揺さぶられる。エルトナで長年押し留めていた気持ちがあった。だから力強く漕ぎ出せるんだ。曲はあの有名ななるけみちこさん。自分はPCエンジンの『天使の詩』と続編の2の音楽が大好きでCD-ROMシステムで3曲目以降を何度も何度も聴くほどだったし自分がゲーム音楽に興味を持つきっかけとなった作品なんだが年月を経てこうして最新作のゲームでまたなるけさんの曲を聴けるなんて実に感慨深くも嬉しい。そして期待に違わぬ出来で満足。もちろん今やアトリエシリーズに欠かせない霜月はるかさんの歌声も力強く且つ透明感もあって何倍も元気がもらえる。

光ノ軌跡(ED|詞:日山尚 作:阿部隆大 ボーカル:霜月はるか ピアノ:持山翔子 ベース:小山尚希 ギター:野崎心平 ドラム:ikki) ・・・ 「小さくなった靴の痛み♪」というフレーズがフィリスの冒険をすべて物語ってるかのよう。作り手が違うと霜月はるかさんの歌声もまた違った魅力がある。曲は阿部さんだがいつもの熱いロック魂は抑えて爽やかさを全面に打ち出してるのが新鮮でこれもまた違った魅力があるな。

このごろ、そのひぐらしで(イベント|詞・作・ピアノ・ボーカル:南壽あさ子 編:湯浅篤) ・・・ フィリスと一緒に旅に出て冒険している情景が思い浮かぶ。歌詞はどことなくプレイヤーとフィリスの関係を歌ってるかのような解釈をしたけど穿った見方かな。同じ南壽あさ子さんの『flora』同様に新たな旅立ちに相応しい爽やかさとワクワク感。後奏があっさりしてるのも粋。南壽あさ子さんの歌声は等身大な親しみやすさがあって好きだな。もっと聴いていたいぐらいだ。

青、淡き旅(イベント|詞・作:Tasmanian & Tiger 編:滝沢光啓 ボーカル・ギター:PiA ドラム:大塚篤史 楽器、他:滝沢光啓) ・・・ 吟遊詩人兼行商ルイスのフィリスに捧げる歌。相手がフィリスだからただ明るいんじゃなく吟遊詩人らしくゆったりとたゆたうように歌い上げるのがらしくて心地いい。サウンド的にも生楽器主体だからかほんとにルイスが酒場で歌ってるかのようなライブ感があって酒場でギター片手に歌ってる情景が目に浮かぶ。心のこもった「ありがとう~♪」のとこが好き。「君の思いに気づいたら青♪」フィリスの笑顔は曇り模様な気持ちも青空にしてくれる。「君の笑顔に導かれて~♪」そんなお互いの出会いに感謝を、ってとこだろうか。

Ressurection(ボス戦|詞・作:阿知波大輔 ボーカル・コーラス:悠花 ギター・ベース:Dani) ・・・ 明快な曲調で熱いパッションを感じさせるのが阿知波さんらしいアトリエ恒例の歌入りボス戦曲。歌は悠花さんだが声質的にリアーネ役の佐藤あずささんと似ててまるでリアーネが想いを歌ってるかのようでとても共感しやすく聴いてると心に響いてくる。「取り戻すために♪」「あなたを守りたい♪」の掠れたような歌いまわしにリアーネの切実な想いが込められててグッとくるし同じメロディでも「未来があるから♪」は歌詞も相まって力強い。

Into the Journey(ED2|詞・作:矢野達也 ボーカル・コーラス:Ceui ヴァイオリン:TAM ケーナ・リコーダー・ティンホイッスル:伊勢翔大 トランペット:根来哲也 ギター:三好翔太) ・・・ Aメロの躍動感に胸が高鳴り、サビの大きく手を広げて新たな世界へ羽ばたくかのような高揚感。Ceuiさんの伸びやかな高音が気持ちいい。矢野さん作ということでフィリスのホームでもあるエルトナテーマ『いつか還る温もり』と最初に冒険した乾いた平野帯のテーマ『物語を紡ぐ旅』がモチーフとして使われててまさにグランドフィナーレに相応しい総まとめな曲。エレキやドラム入りなバンドサウンドではなくオーケストラサウンドってのも特別感があって良い。

そして矢野さん自らの歌詞も素敵。「還り着いたぬくもり~少しくらいは大人になれたかな♪」のあとヴァイオリンで『いつか還る温もり』のメロディがしっとり歌われ、次の歌詞では船出しまだ見ぬ世界へ駆け出したさまが表現されてるミュージカル的な物語性があってこれまでの旅路がフラッシュバックして感慨深い。そして「・・・わたし、何も知らなかった!♪」の三点リーダーとエクスクラメーションマークにフィリスの驚きと躍動感がつまってるかのよう。そして可憐なコーラスと共に『物語を紡ぐ旅』と『いつか還る温もり』のメロディが交わりCeuiさんが情感込めながら歌を紡ぎ出すところでは実に感動的で涙腺が緩み心が熱くなる。あと「泣いて笑って騒いで眠って♪」という歌詞はOSTに同名曲があってある意味フィリスのテーマ曲でもあるので思い出しながら聴くのも味わい深い。最後に連続するサビの部分は一気呵成に熱く歌ってくれてCeuiさんの感情移入ぶりが伝わってくる。ほんとこの曲は言葉では語り尽くせないぐらいただただ素晴らしい。

Outro. ~place to be back~(インストゥルメンタル|作:矢野達也) ・・・ そして最後も矢野さんに余韻たっぷりにしっとり締めてもらおう。

まとめ

こちらもOSTに負けず劣らない素晴らしい楽曲揃い。どの歌声も好き、どの歌詞も好き、どの曲も好き、全部好き。歌ものってインストゥルメンタルに比べたら正直そんなに好きではないんだけど今作のボーカルアルバムはほんとにどれも大好きだ。日本語歌詞ってのも嬉しい。だからアルバム通してより物語性を感じさせられ共感もさせられていいんだよね。一曲一曲聴き進めるとフィリスたちの冒険が広がっていくかのような世界観が詰まってる。今までのアルバムもそうだったけど今作は特に染み入る。やっぱり全部好きだからこそより共感しちゃうんだろう。

音質についてだがエスロジボーカルアルバムでは音圧競争真っ只中のような音質の悪さに苦言を呈したが(エスカ&ロジーのアトリエのサントラ購入と雑感 | 妄想シンフォニー)今作は適切な音圧で何も不満なし。唯一残念というか惜しいなと思えるのが収録時間37分と短いことだがエスロジボーカルアルバムの57分ってのが異例なだけであってまぁこんなものだろう。おまけで3曲ショートVerも収録してくれてるんだからずっと良心的だしね。出来ればアーシャのアトリエOSTみたいにインストゥルメンタルVerも収録してくれたら完璧だったが。あと曲間の無音時間が大体どれも3秒ぐらいしかなくてすぐ次の曲が流れるから余韻があまり味わえない。出来れば6秒ぐらいは欲しい。OSTは逆に早く次の曲聴きたいから3秒ぐらいの短さでもいいんだけどね。まぁ閃の軌跡ハイレゾ版みたいに1秒ぐらいしか間がないのも困るが。

フィリスのアトリエ~不思議な旅の錬金術士~ボーカルアルバム
ゲーム・ミュージック, 霜月はるか
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