2018年1月26日大幅更新

最近買ったゲームのサントラ(2017年5月~7月)で書いたように今さらながら買った2012年発売『イース セルセタの樹海』のオリジナルサウンドトラック。ゲームをクリアしてからもう2年ぐらい経ってるんだなぁと思ったがでもまだ2年程度か。今現在(2017年8月)絶賛イースVIIIをプレイ中(クリアしたがあともう少しある)だが少し時間を巻き戻してセルセタの樹海を音楽でもう一度冒険していこうか。こうゆうときプレイ日記を書いてるとシーンを思い出しやすいから助かる。

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今作は知っての通り1993年発売『イースIV The Dawn of Ys』のリメイク。そうゆうこともあって当時の曲のアレンジ曲もありつついくつか新曲も混ぜ合わせたサントラとなってる。そういったサントラの中から今回も特に気に入った曲のみを挙げて少しばかり拙い感想も書いていこう。

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相変わらずブックレットは見開き1ページだけの簡素の極み。軌跡シリーズはライナーノーツ的なコメントがあったけど何にもないのは寂しい。原曲の作曲者は白川篤史氏、金田直樹氏、中島勝氏、鍋島貴博氏。それらの曲のアレンジ担当は社内スタッフの園田隼人氏、宇仁菅孝宏氏、籾山紗希氏、萩生田朋克氏で新曲の制作担当は神藤由東大氏、岡島俊治氏、上倉紀行氏。ファルコムの慣習により誰がどの曲を担当してるかは不明。

リスニング環境はいつもの構成。ヘッドホンはAKG K712 Pro、オーディオカードはAsus Xonar Essence STX、再生ソフトはfoobar2000。

新曲の感想には編曲者や演奏者を記載。また特にお気に入りの曲にはマークを付けておいた。

感想

DISC1

#02.辺境都市《キャスナン》 ・・・ ブラスの賑々しくあっけらかんとしたイントロが印象的。シロフォン的な音の少し影のあるBメロが好き。ここのベースが格好いいんだよね。切なげだけどポジティブさもあるサビも良くて高まる。ゲーム中何度も聴いたときはイントロのせいで少し野暮ったく感じた曲だったがサントラとしてしっかり聴くと全然印象は違っててすぐに気に入った。一連のサントラ記事で何度も書いてるがやはりゲームプレイ時の印象だけでは曲の良し悪しは分からないってことだ。ところで自分はたまに曲の評判を知るためにTwitterで曲名検索したりしてるんだけどそれで知ったがこの曲はオリジナルじゃなくてリネームで原曲は『プロマロック』って曲のようだ。YouTubeで探して聴いてみたらビンゴ。イントロだけオリジナルなんだな。

#03.燃ゆる剣 ・・・ 一番最初に冒険に出た『獣宴の平原』のフィールド曲は颯爽と勇ましく。イントロから鋭いアタックのドラムで沸き立つ熱気が堪らない。まさに曲名通り燃えゆくパトス。合間のタムタムやエレキによるスパイスも快い。原曲の良さを引き立てているナイスなアレンジだ。

#04.セルセタの樹海 ・・・ こちらも原曲の段階で雄々しい格好よさが光る。エレキとホルンでユニゾンする悠然としたAメロが特に好き。Bメロからサビ、そしてリピートのAメロはヴァイオリンが主旋律を担当、その後のBメロとサビはエレキにバトンタッチするアレンジの妙。ただのリピートに終わらない良いセンス。

#6.ダンジョン ・・・ 湿っぽい鬱蒼としたサウンドがまさにダンジョン感を醸し出す。岡島氏アレンジの『地下遺跡』という曲があるけどむしろこっちが地下のジメッとした遺跡感がある。

#7.優しくなりたい ・・・ そんな暗い気持ちを癒やすかのような優しく暖かいサウンドが胸に染み渡る。伸びやかで清らかなストリングスが心地いい。ホルンが入るとさらに大らかさが加わり優しさにいっそう包み込まれてゆく。

#8.バトル#58 ・・・ エレキでアグレッシブにガシガシ攻めて荒ぶる。ささくれ立ったキレのあるサウンドが癖になる気持ちよさ。脈打つかのように鼓動するバスドラやベースも格好いい。サビはメロディアスに歌わせてこのコントラストが鮮やか。サビはどこかで聴き覚えがあるなと思ったらナピシュテム『ARMORED BANE』のサビ。THE DAWN OF YSの原曲にもこのメロディがあることからナピシュテムの『ARMORED BANE』が引用しているんだな。いわばイースの廃坑テーマみたいなものか。このまま一辺倒にはならず後半からはアドリブ感溢れるエレキソロになるのもオツ。

#9.道化師の誘い ・・・ 躍動するビビッドなベースが格好よくて高まる。その上に被さるお洒落なピアノ、スカしたブラス、唸るエレキ。壮麗な活気で満ち溢れ実にファンタスティックな仕上がりだ。左右に躍動するタムタムも快く耳に響く。

#10.灼熱の炎の中で ・・・ エッジのある烈々しいドラムが痛快。少ないメロディで構成された曲だがドラムとシンセとエレキのけたたましく豪快なサウンドも相まって飽きさせない魅力。まさに炎の中で沸き立つ熱気だ。これらナイスなアレンジの曲3連チャンはとても高まるラインナップで至福。

#13.地下遺跡(編:岡島俊治、ヴァイオリン:水谷美月) ・・・ 地下のジメジメした気分を吹き飛ばすような軽快でごきげんなナンバーだ。アレンジされた岡島さんはドラマーだけあってドラムの溌剌っぷりが打ち込みながらも目覚ましい。そしてここでもしなやかに歌う水谷さんのヴァイオリンが光る。飛翔するかのようなサビも爽快感バツグン。

#14.賢者 ・・・ 悠久のときを感じるようなたゆたう木管とハープの調べが滋味豊かで心地いい。

#15.一陣の風(編・ギター・キーボード:上倉紀行) ・・・ 野性味あふれるイントロが痛快。Aメロは古き良き王道ファルコムサウンドっぽいズンドコ感あるがBメロでは一転してセンチメンタルに心に響かせる。まさに一陣の風のような駆け抜ける爽やかさに胸が躍る。

#17.導きの塔〜エルディールにくちづけを ・・・ ストリングスの薙ぎ払うかのような疾走感、エレキの滾る熱いパトスが格好いい。サビのツーバス連打も熱い。この曲名だと原曲にない感じだがエレキのメロディは原曲『エルディール』のアレンジだな。

DISC2

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#01.雨上がりの朝に(編・ギター・キーボード:上倉紀行) ・・・ 『雷雨の聖域』で使われてて確か天候が収まってから流れたんだったかな。ドラムが暴れるイントロが格好良くてここだけで胸が高鳴る。曲名通りAメロは瑞々しい爽やかさが印象的で心ときめく。

#2.THE DAWN OF YS ・・・ ズンダラしたベースの上で突き抜けるかのように鳴り響くシンセの疾走感が爽快。ブラスのパペパプー的な音もオマージュと思えば味わい深くむしろ癖になる音。サビのシンバルアレンジが格好いい。最初聴き始めたときは少々拒否反応があったが今はオーソドックスなアレンジよりこういった個性のあるアレンジを好む。

#03.古代の伝承 ・・・ まさに古代からの伝承を感じさせる幽玄なミステリアスさが心を捉えて離さない。サビの民族的な歌いまわしも快い。後半から違うテイストのメロディになり奥深くも味わい深い。

#04.クレーター ・・・ 『灰の森』で使われてただけあってミステリアスさがありつつも洒落た格好よさもあって好きだ。これも原作アレンジな気がするけどどうなんだろうなぁとググったら未使用曲として当時のサントラに収録されてたらしい。こちらのアレンジはモダンさが快くて万人に勧められるナイスな出来。

#06.レファンス ・・・ イース定番曲『RODA』の系統を感じさせられるがこちらはより等身大のスケール。暖かくそして哀愁を漂わせながら心にそっと語りかけてくれる。

#07.RODA ・・・ イースエターナルで追加された一曲。大きくも大らかな大樹を見上げてるかのような情景が浮かぶ。後半木管やホルンのユニゾンが被さりさらに幽玄さが増して奥深く心に轟く。

#09.黒き翼(編・ドラム:岡島俊治、ヴァイオリン:水谷美月、ギター:平松俊紀) ・・・ 強靭な水谷さんのヴァイオリンに熱く唸る平松さんのギター、そしてアレンジもしてる岡島さんの熾烈なドラム。このメンツの息詰まるような熱気ムンムンなハードロックが最高にならないわけがない。特に岡島さんのサビでのツーバス連打が熱い。間奏ではアトリエシリーズでもお馴染みの平松さんの技に酔いしれる。そんな曲とは裏腹にエルディールは結構弱かった記憶。

#10.イリス ・・・ メロディといいアレンジといいテンポ感といいこの王道さが堪らない。決して今風じゃない野暮ったさがこのアレンジの魅力。

#11.聖域 ・・・ 何かが胎動してるかのような繰り返されるシンセとパーカッションの轟きが印象深い。歪んだシンセのうねりと僅かに被さるヴァイオリンの官能さ。迫りくる何かを感じさせられ惹きつけられる魅力がある。

#13.最終決戦 ・・・ オーラフェンサー数発撃って終了した真のラスボス曲。とにかくブイブイと壮烈に唸るエレキサウンドが熱い。そしてオペラティックなボカリーズによる彩り。単調な曲運びだけど飽きさせない豪快さとドラマティックさが魅力。メロディよりサウンドのキレ味と熱気で魅せていく。

#16.THEME OF ADOL 2012 ・・・ タイトル曲は最後のほうにひっそりと。ツヴァイ収録の『Theme of Adol 2001』と比べるのもおつ。こちらはオルゴールとピアノとチェロのアンサンブルでしっとりそしてどこか物寂しげな表情。それはやはり記憶を失ってるアドルの旅ということもあるんだろう。

#17.The Foliage Ocean in CELCETA(編:神藤由東大、ギター:和田耕平、ヴァイオリン:長野昭子) ・・・ 疾走感と高揚感に満ち溢れてゲームの幕開けに相応しい。颯爽としたAメロは格好よく切なげなBメロは心を揺さぶりどこまでも突き抜けるようなサビも胸熱だ。オケヒットが鳴り響きエレキが唸る間奏も熱い。

制作予想

=園田隼人氏、=宇仁菅孝宏氏、=籾山紗希氏、=神藤由東大氏、=岡島俊治氏、=上倉紀行氏、#=ブックレットに担当記載あり

CD1

1.The Foliage Ocean in CELCETA【#神】 / 2.辺境都市《キャスナン》【編:宇?】 / 3.燃ゆる剣【編:籾?】 / 4.セルセタの樹海【編:籾】 / 5.涙の少年剣士【編:?】 / 6.ダンジョン【編:h?】 / 7.優しくなりたい【編:園】 / 8.バトル#58【編:宇】 / 9.道化師の誘い【編:宇】 / 10.灼熱の炎の中で【編:宇】 / 11.ロムン帝国 -嗚呼レオ団長-【編:h?】 / 12.暁の森【#岡】 / 13.地下遺跡【#岡】 / 14.賢者【編:h?】 / 15.一陣の風【#上】 / 16.真実への序曲【#神】 / 17.導きの塔〜エルディールにくちづけを【編:籾】 / 18.エルディール【編:?】 / 19.復活の儀式【編:籾】

CD2

1.雨上がりの朝に【#上】 / 2.THE DAWN OF YS【編:籾】 / 3.古代の伝承【編:h?】 / 4.クレーター【編:籾】 / 5.神代の地【#神】 / 6.レファンス【編:宇?】 / 7.RODA(イース・オリジンからの音源)【編:宇?】 / 8.失われし仮面を求めて【#岡】 / 9.黒き翼【#岡】 / 10.イリス【編:園】 / 11.聖域【編:宇?】 / 12.The False God of Causality【#神】 / 13.最終決戦【編:宇】 / 14.冒険家、誕生【#上】 / 15.新たなる時代のステージへ【*神】 / 16.THEME OF ADOL 2012【編:籾?】

解説

社外制作曲を除くと社内アレンジ曲で一番異質な音質になっているのが『ダンジョン』。あと『賢者』『古代の伝承』と多分『ロムン帝国 -嗚呼レオ団長-』もそうだろうか。音はくぐもってて灰色掛かった埃っぽさ、音像も奥まって偏りがある。こういったサウンドは今作以前になく閃の軌跡II以降には見られない。そして翌年発売の閃の軌跡『走れマッハ号!』が該当する。となると今作でクレジットされてる萩生田朋克氏の可能性が高い。あくまでも可能性であり見当違いかもしれないがでも少なくとも同一作曲者ではなかろうか。

『灼熱の炎の中で』のドラムやシンセ、エレキも翌年発売閃の軌跡の『Belief』と似てる。圧が強く重心が低めでバランスと纏まりが良い響きは氏の特色であり両サイドのエレキで厚みを出すのも氏のロック曲アレンジと共通する点もある。ドラムの張りのある響きも顕著。『最終決戦』も音の響きや音色など似てる。聴き比べるとやはりサウンドの質は同じだから間違いないと思う。他の氏と想定した曲も同様の理由で判断。通して聴くと響きの異質感がない。激しい曲以外だと『辺境都市《キャスナン》』は奥行きのある響き、閃の軌跡『放課後の時間』に似たベースやブラスの響きから氏と判断。園田氏かもしれないがでも氏とするには響きに違和感がある。他に音質判断で引っかかった曲は『レファンス』。響きの豊かなピアノ、ドライでもなく埃っぽくもないストリングス、全体的に整然とした響きで氏のオケ曲の可能性がある。この曲が氏としたら似た響きの閃『唯一の希望』も可能性がある。『RODA』も?…ちょっと分からないな。宇仁菅氏の曲が多い印象だが同年発売那由多の軌跡での氏の制作曲はかなり少ないのでこちらに注力していたとしたら納得がいく。

園田氏の典型サウンドはまずもって『優しくなりたい』だろう。ストリングスの響きが顕著。『イリス』も響き的に氏と判断。氏のサウンドはアレンジに纏まりがあり響きはあまり奥行き感はなく詰まり気味、暖色系でドライな傾向。

『RODA』はイース・オリジンに同名曲がありマスタリングの違いからか僅かに音圧が異なるもののアレンジもfoobar2000上での波形も同じなので流用とみる。あの当時の作曲者メンバーは園田氏と宇仁菅氏と竹下氏。普通に考えると園田氏だがストリングスといい全体の響きといい纏まりがあって特に後半のホルンと木管の綾の響きは氏っぽくないんだよね。竹下氏はそもそも音質からして違うから除外。となると宇仁菅氏になるけどちょっと判断材料が乏しい。宇仁菅氏と思われる曲は『WATER PRISON』だが確かにストリングスの感じは似てはいる。果たして。

一方籾山氏は曲に勢いがあって賑やか目なアレンジ、変わったことをしてくる、響きはやや腰高で拡散気味、音が左右に散らばっていて纏まりがない傾向がある。良くも悪くも個性派で自由なアレンジスタイル。ただ『燃ゆる剣』だけはちょっと宇仁菅氏か判別が付きづらいけど多分どうだろうなぁ。

まとめ

全36曲中で何度も聴きたくなるお気に入りな曲は24曲あった。プレイ中はあまり印象に残らなかったからサントラの購入は保留したけどやっぱり音楽だけに向き合って聴いていくと良さがみえてくる。

セルセタの樹海はリメイクということもあり原作から何曲かピックアップしてリメイクされてるけどjdkメンバーによるアレンジは音源のチョイスからしてオマージュが入ってるような感じがあるな。ただ今の時代からしたらその方向性のアレンジが野暮ったく感じてしまうときも。逆に殆どの新曲アレンジ担当の岡島さんや上倉さんはイースの伝統を受け継ぎつつどちらかと言うと今風なサウンドのアレンジで自由にのびのびと作っていた印象。だからjdkアレンジも変に過去にとらわれず今のサウンドでアレンジして欲しかった。むしろ担当が逆だったらいい結果になったかもしれない。

で、あれから何度も聴いてるうちに段々こういった癖のある旧曲アレンジのほうが好みになっていった。人間、時と共に好みも移ろいゆく。

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どの曲もリピートしてくれるのがありがたい。曲数が少なく収録時間に余裕あったからなんだろう。やっぱり良い曲は繰り返し聴いて気分に浸りたいからね。最近のサントラはファルコムもガストもリピートしない仕様ばかりでとても残念。曲数が昔より倍以上に増えたからなんだろう。残念ながらイースVIIIのサントラもノーリピート。CDというメディアがもう時代についていけてない。

音質についてはハイレゾじゃないファルコムのサントラとしては極上レベルだと思われる。これを聴いて音質に不満あるなら再生環境を見直したほうがいい。特に外部アレンジの曲は生音収録も込みだからよりクリアで色鮮やかだ。この音質で零の軌跡や碧の軌跡のサントラを仕上げて欲しかった(零Evoと碧Evoは良い)。

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