2018年1月12日更新

この間めでたくクリアした東亰ザナドゥeX+(記事:東亰ザナドゥ eX+ プレイ日記(アフターストーリー2:因果編))。既にe-onkyoでハイレゾ版のサントラを購入済みなので少しばかり感想を書いていこう。本編サントラは何度も聴くほど大好きな楽曲ばかりだったがさて今回のeX+版サントラはどうなったか。

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Vita版からPS4版東亰ザナドゥeX+のプレイを通じて本編サントラも色々と印象が変わってきたのでサントラ感想記事(東亰ザナドゥのハイレゾ版オリジナルサウンドトラックを購入)も大分書き直して曲が使われた場所も異界迷宮中心に補足しておいたり推定ネタも追記。

リスニング環境はいつも通りヘッドホンはAKG K712 ProとオーディオカードはAsus Xonar Essence STX、ハイレゾFLACファイルをfoobar2000で再生。特にお気に入りの曲にはマークを付けておいた。

感想

CD1

#01. all is a lie (eX+ Version)[ノーマルエンディング] ・・・ あのタイミングでまさか『X.R.C』の歌バージョンが流れるとは思わなくて意表を突かれた。歌詞的にコウとシオリがそれぞれを想っての内容みたいだがゴロウ先生にも当てはまりそうでグッとくる…。「すべてが嘘でありますように」…あんな事さえなければ嘘を願う必要もなかったのに…。そしてトゥルーエンドへの橋渡しをする歌詞でもありこんなのを聴いたらすぐやらないわけがないよね。佐坂ちゃんの歌声は好みというわけではないんだが以前より確かに上達していてもうコテカナと比べる必要もなさそうだ。何より感情がちゃんと乗ってて聴き手の心を震わせられるようになったのがその証だ。

#02. Symptom[隠されし旧路、琥珀の間道] ・・・ サイドストーリー初の異界迷宮曲。”兆候”という曲名通り何か得体の知れない事態が刻々と迫りつつあることを感じさせる緊張感に満ちた曲だ。それでもしっかり着実に勇気を鼓舞させてくれる。

#03. Ardent Undulation[サイドストーリーボス戦] ・・・ サイドストーリー内での汎用ボス戦曲。イントロのまさに燃えるようにうねるエレキにしびれる。エキサイトするはずのボス戦曲だがまだ事態を飲み込めてない段階なので熱気も程々にしつつ内に秘める闘志が見え隠れといったところ。

#04. Profound Heart[赤空の戦跡、澱水の廃園、蟲毒の遺構] ・・・ 意気揚々としたパーカスの打ち込みが力強い。”心の深淵”という意味だけあって少し感傷的になりつつも希望に向かってただひたすらに前へ。

#05. Pitch-dark Nebula[黒天の亡城、幻夜の離宮] ・・・ 白装束と某先生コンビ、リオンとアスカのコンビで潜った少し敵の強さとギミックの厄介さもあった異界迷宮。タイトルの意味がよく分からない曲名だがやはり混迷する謎の異界迷宮に翻弄されつつも邁進させてくれるイントロと切なくも奮い立たせるピアノのメロディが印象深い。

#06. あれから... [イベント、Extraコンテンツ] ・・・ アフターストーリー最初に流れた新曲。まさにあれから3ヶ月前からを思い起こさせるかのような物憂い余韻に感慨深くなる…。『始まりのテレパシー』同様にこれも主部のメロディがそのまま歌になりそうなぐらいメロディアスで心に響く。サビ後の深みやその後のメロディの甘酸っぱい切なさが堪らない。ピアノと木管とストリングスだけの編成でインティメートで心地のいいサウンド。特にそっと寄り添うチェロの音色が良い…。アフターストーリークリア後のExtraコンテンツ内のギャラリーでも流れるのが粋なはからい。あれもあれからの時の流れを感じさせる思い出の数々だ。

#07. 秋の陽光[自由行動] ・・・ 本編にはないテイストの曲だ。最初はエロゲの日常曲っぽいなと失礼ながら思ってしまったが秋風を感じる爽やかさながらも切なげなメロディに色々な思いが込み上げてくる。あともう少しで終わってしまうアフターストーリーの自由行動曲だからこそのこの印象だろうな。ちなみにAメロは閃『自由行動日』、サビは閃II『輝ける明日へ』に少し似ていてそのまま自由行動曲だからそしてX.R.Cメンバーが耀ける明日へ向かう意味合いを込めての引用なんだろうか。まぁ偶々なんだろうけどw

#08. 静寂の異変[イベント、自由行動] ・・・ サイドストーリー最初に流れた新曲。タイトル曲『X.R.C』の雰囲気がありつつ明確な旋律を作らず暈してミステリアスに謎めいていく意味深さ。因みにイースVIIIに『OBSCURE SENTENCE』というやはり似ている曲があるのはご愛嬌。

#09. Seething Ardor[膏血の境界、蒼哭の境界] ・・・ アフターストーリー初の異界迷宮は灼熱の異界。そのせいか熱情が渦巻くかのように燃え盛る雄々しさ。特にティンパニとトランペットの烈々しさには血が騒ぐ。ホルンで導かれるサビは不透明な事態でも奮い立たせてくれるかのような勇壮さで胸が熱くなる…があそこは飛び乗りとか時間制限とかものすっごくギミックが面倒で奮い立つどころではなかった。

#10. Sacred Tyrannizer[サイドストーリー「白き影・II」ボス戦、アフターストーリーボス戦] ・・・ イントロから決然と緊張感漲り理屈抜きのエキサイティングなボス戦曲。勇壮に燃え上がらさせていくがストリングスも合わさり哀愁を漂わせつつその後のパーカスのリズムに乗せてのヴァイオリンのソロが格好いい。山あり谷ありのドラマティックな曲だ。約3分とこのサントラでは長尺の曲で聴き応え満点。

#11. Muddy Zone[緑の小水道、琥の小水道、白魔の水路] ・・・ あそこは短い異界迷宮だったが状態異常という泥だらけのゾーンでもあった。そういった妖しげな雰囲気を醸し出す虚ろなサウンド。そんな状況でもサビには奮い立たせてくれる。

#12. Infinite Expanse[イベント] ・・・ ”無限大に広がる”俺たちの焔ってとこだろうか。鼓舞させる展開で流れる曲だが軽快なポップテイストなのが今作らしさ。そしてあのシーンでも使われてて意味的にもしかしてありうるかもしれない続編への期待を持たせてくれる未来へ向かっても高揚させてくれた。

#13. Earnestly Advance[天冥の境界] ・・・ サイドストーリーと合わせてアフターストーリー集大成であり東亰ザナドゥ最後の異界迷宮曲は有終の美を飾るに相応しいひたすら前へ駆り立ててくれる雄々しく堂々たる曲。ピアノの切なげなメロディには単純に鼓舞させるだけじゃないこの後待ち受ける運命を予感させられる。

#14. Vesper Umbra[ラスボス戦] ・・・ そしてまさかの運命のグリムグリードとのラスボス曲。”宵の影”…まさにそうゆうわけだったな。ラスボス戦らしく鼓舞するパーカスが印象的だが壮烈な曲調ではなくどこか切なく物憂い気分にさせてくれるのは彼のあの後の言葉の持つ意味があるからなのかもしれない。後半のヴァイオリンソロには悠久の時間を感じさせられ彼が待つその瞬間という意味を考えさせられて深く沈潜。今作の戦闘曲を締めくくるに相応しいストーリー性のある意味深い曲だ。

#15. Happy Halloween![イベント、自由行動] ・・・ そんな感傷的な気分を吹き飛ばすハッピーハロウィン!途中の仲間とのバイトの時にも掛かったがやはり最後の自由行動曲として流れたシチュエーションが思い出深い。底抜けに明るいサウンドだけど逆にその明るいひとときももう終わりかと想うと寂しくなったものだ…。

#16. 大切な人と[エンディング] ・・・ 『秋の陽光』をアレンジしつつ最後は大切な想い人と共に過ごすハロウィンの夜…。X.R.Cとも杜宮のみんなとも本当にこれで最後。みんなの明るい笑顔を取り戻せて…いやまたこのみんなと共に過ごせることが出来て本当によかった。切ないがそれでも明日へ。明るい未来が待っているはずなんだ。

まとめ

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まず一言。本編サントラより音圧が低めだし音場も少し狭まり音のエッジも引っ込んだ印象。そのせいか楽曲の魅力が薄まってしまっている。折角素晴らしい曲もこれでは良さが活かしきれない。直前にリリースされたイースVIIIのサントラよりも音が引っ込んでしまってるんだよね。マスタリングのさじ加減でこうなってしまったんだろうか。そのせいか最初ひと通り聴いたときは全体的に平板な印象を受けてしまった。ハイレゾ版でこれだからCD音質だとさらに印象薄くなってしまうのではないだろうか…。イースVIII完全版は過不足ない音質で何ら問題なかったが閃の軌跡IIIのサントラが出たらまたこういったマスタリングのテイストになってしまいそうで不安ではあるが…。

他の不満点は相変わらずリピートしない問題。今作は収録時間40分と余白にたっぷり余裕あるというのに。全曲リピートしてくれとは言わない。『all is a lie (eX+ Version)』は既にリピートしてあるし『あれから...』と『静寂の異変』『Happy Halloween!』『大切な人と』は逆にリピートしないほうが曲の良さが引き立つだろう。でも他の異界迷宮曲と戦闘曲はリピートして欲しかった。特に『Earnestly Advance』は1:50しかなくて曲を味わう間もなく物足りない。

曲間の時間は2秒ぐらいしかなくて余韻も感じられず次の曲に行ってしまう。多分この問題はハイレゾ版だけでCD版だと適切な間があるのではかろうか。ま、この後リリースされたイースVIII完全版のハイレゾは適切な間が出来てたから改善されたと思っておこう。

あと曲調が本編サントラの楽曲たちとちょっと方向性が微妙にズレてる。続けて聴いたら如実にそれを感じる。これはアフターストーリーということで敢えてズラしたのかそれとも少し間が空いて作り始めたからズレてしまったのか。憶測に過ぎないが東亰ザナドゥ開発完了後にeX+見越して引き続き作ってたら本編と似たようなテイストになると思うから多分イースVIIIの開発中に並行作業で作ってたかそれかイースVIII開発完了後の1ヶ月ちょっとで大急ぎで作ったのかもしれない。今現在(2017年10月)閃の軌跡IIIをプレイ中だがどことなく今作のスタイルと方向性が似ている気がする。jdkの新たな進化の過程の楽曲というふうにも伺える。

トータルの感想としては今作も本編サントラと肩を並べるぐらい素晴らしい出来だった。3点不満があったものの今回も相変わらず自分が大好きになれる曲ばかりで嬉しい。最初こそは音質や曲のテイストの違いで戸惑ったが何度も聴くと良さを理解。一聴して格好いい魅力が光る本編サントラと違い今作は噛めば噛むほど味わいが出てくる感じだな。特に『あれから... 』と『秋の陽光』『Muddy Zone』『Happy Halloween!』『Sacred Tyrannizer』が大のお気に入りで今は延々と脳内リピートしてる。全体的に荒涼感のあるモノトーンな仕上がりでこういった方向性も東亰ザナドゥという作品世界なら相応しい。そして改めて…いや既に以前から何通りも聴いてるけど本編のサントラを聴くと曲単位でストーリーを感じさせる曲ばかりでほんと素晴らしい。この間のイースVIIIの音楽も素晴らしかったが(記事:イースVIII ハイレゾ完全版オリジナルサウンドトラックの感想)今は東亰ザナドゥの方向性のほうが自分には心地いい。

制作予想

=園田隼人氏、=宇仁菅孝宏氏、=神藤由東大氏、*はブックレットに担当記載あり)

CD1

1. all is a lie (eX+ Version)【編:神*】 / 2. Symptom【園】 / 3. Ardent Undulation【園】 / 4. Profound Heart【園】 / 5. Pitch-dark Nebula【園】 / 6. あれから...【宇】 / 7. 秋の陽光【宇】 / 8. 静寂の異変【宇】 / 9. Seething Ardor【神】 / 10. Sacred Tyrannizer【園】 / 11. Muddy Zone【神】 / 12. Infinite Expanse【園】 / 13. Earnestly Advance【神】 / 14. Vesper Umbra【宇】 / 15. Happy Halloween!【宇】 / 16. 大切な人と【宇】

解説

さてここからはいつもの自己満足な作曲者推定遊び。作曲はいつものjdkメンバーで基本的には園田隼人氏と宇仁菅孝宏氏で二者択一だが3曲迷いが生じた。まず『秋の陽光』だがA&Bメロが閃『自由行動日』、サビが閃II『輝ける明日へ』もしくは『門出の季節』に似ている。↑の感想でああ書いたもののメロディの節々は違うし作品を超えてまで引用する意味合いはないので作曲者の手癖と判断。閃『自由行動日』はポップで緻密なアレンジ、メロディの感じなどから自分は宇仁菅氏の作曲だと思ってて閃II『輝ける明日へ』は宇仁菅氏の曲の可能性が高い。そうゆうわけで『秋の陽光』の作曲は宇仁菅氏と判断したが改めて聴いていくと曲の展開も閃『自由行動日』に似ているしリズム感もありアレンジも氏の特徴があらわれてる曲のように思う。

そして『大切な人と』は意味合いのある『秋の陽光』の引用。後半の打ち鳴らされるパーカスは宇仁菅氏と判断している『Vesper Umbra』のパーカスと鳴りっぷりが同じ。その2曲のストリングスの距離感、シンバルロールの音の位置などが同じことからこちらも氏だと思う。園田氏ならもっと明快でメロディアスにしっとりとしたアレンジになるのではなかろうか。

『あれから...』はメロディだけ追っていくと園田氏の感じがしない。(0:32)からのメロディはクラリネットだと『秋の陽光』のAメロとテイスト的に似てるような雰囲気はある。またアレンジも奥行き感とモダンさがありピアノの音は打鍵音を含んだ音で『大切な人と』と同じ。園田氏かもしれないが氏特有の歌謡性あるメロディラインではなくてそういったセンスというものは早々隠せるものではないのではと思う。どちらかと言うとプレーンなメロディラインを持つ宇仁菅氏と思ったほうが腑に落ちる。そもそも東亰ザナドゥまではこういったテイストの曲はなかったし近年チームがふたり体制になって作曲数が大幅に増えた宇仁菅氏しかいないのではなかろうか。

[追記]最初の記事投稿時にこう書いたがあれから何度も何度も聴いてたら『Seething Ardor』『Earnestly Advance』の2曲は臨場感溢れる芳醇な響き、音圧、ビブラート付きトランペットなどから神藤氏だ。『Seething Ardor』と次の曲の『Sacred Tyrannizer』は同じようにティンパニを伴って金管が暴れるけど全く響きが違う。『Earnestly Advance』はイントロのピアノからして音が違うし神藤氏がよくやるエレキの軋み?的な音が入ってることからも明らか。もちろん金管とティンパニの響きも全然違う。自分が聴き間違えたように結構園田氏と神藤氏の作風は似ているけどメロディラインは違うように思う。園田氏の響きは上で述べた通りだが神藤氏は響きが豊か。ただもしかしてアレンジのみタッチの可能性は高いが。そしてアレンジの巧みさとミステリアスな曲調で宇仁菅氏と思い込んでたがこうなると『Muddy Zone』も神藤氏が有力だろう。イースVIIIに似た曲調の『A SLOW AND DEEP BREATH』があるが宇仁菅氏にしてはメロディアス過ぎて違和感あるなと思ってた理由がこれで分かった。いずれにせよクレジットのせいで今作は神藤氏は歌ものオンリーという先入観が働いてたが決してその限りじゃなかった。それはファルコムのこれまでのサントラでは恒例だというのにうっかり失念してたな。

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